【税キャラで学ぶ】税の王様『所得税』

税金ゆるキャラで楽しく『税』について学ぼう!

ということで、今回は・・・

『所得税』についてです。

この記事は【税金ゆるキャラ図鑑(web版)】に載っている『税』について、さらにイラストで深掘り解説をするというコンセプトでお届けいたします。


目次

『所得税』税額計算の全体像

STEP
10種類の『所得区分』に分ける

10体のキャラクターで、イメージをつかもう!

STEP
『損益通算』などをして課税標準を計算する

ルールが複雑なので、サラッとイメージ付けしましょう!

STEP
15種類の『所得控除』から適用できるものを計算する

物的控除は、ザルの目の粗さ!?
人的控除は、スプーンの大きさ!?

STEP
税率をかける基となる金額を出す

掲載準備中です・・・
今のところ、この記事では触れておりません。

STEP
税額を計算する

掲載準備中です・・・
今のところ、この記事では触れておりません。


【STEP1】10種類の『所得区分』に分ける

所得税には、10種類の所得区分があります。

私たちが働いて”もうけ”(所得)を得た場合には、これら10種類のいずれかにその”もうけ”(所得)を分類して、しかるべき方法で『税』を計算することとなります。

その10種類の所得区分は、このような感じです。

それでは、10種類の所得区分について、その概要を順番に紹介していきます。


利子所得

特徴

利子所得とは、利子などに係る所得をいいます。

具体例

公社債の利子、銀行預金の利子、公社債投資信託の収益の分配など。


配当所得

特徴

配当所得とは、配当などに係る所得をいいます。

具体例

株式の配当、投資信託の収益の分配、保険会社からの基金利息など。


不動産所得

特徴

不動産所得とは、不動産などの貸付けによる所得をいいます。

具体例

建物の貸付け、土地の貸付け、借地権の更新料など。


事業所得

特徴

事業所得とは、事業から生ずる所得をいいます。

具体例

農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業。(不動産貸付業は不動産所得)


給与所得

特徴

給与所得とは、給与などによる所得をいいます。

具体例

国家公務員の俸給、サラリーマンなどの給料・賃金、国会議員が受け取る歳費、賞与またはこれらの性質を有する給与(諸手当や現物給与など)など


退職所得

特徴

退職所得とは、退職手当などに係る所得をいいます。

具体例

退職金(一時金)、国民年金などの一時金など。


山林所得

特徴

山林所得とは、山林の伐採または譲渡による所得をいいます。

具体例

5年超保有している山林の伐採または譲渡。(保有期間が5年以内の場合には、事業所得または雑所得)


譲渡所得

特徴

譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいいます。

具体例

通常の資産の譲渡、土地建物の譲渡、株式の譲渡など。(棚卸資産や山林の伐採または譲渡などは含まれない)


一時所得

特徴

一時所得とは、上記の利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得以外の所得のうち、継続的な営利目的以外の所得で、労務や資産の譲渡対価でない所得をいいます。

具体例

懸賞の賞金品、福引の当選金品、競馬の払戻金、生命保険の一時金など。

雑所得

特徴

雑所得とは、上記の利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも該当しない所得をいいます。

具体例

公的年金などに係る所得、学校債などの利子、還付加算金、生命保険契約などに基づく年金など。


以上が、10種類の所得区分と、それぞれをイメージしたキャラクターとなります。

ちなみに、キャラクターの身体に色が付いているものは、原則として、その所得区分が赤字の場合に『損益通算』が可能です。

『損益通算』とは、なにか?

次の項目で解説します。


【STEP2】『損益通算』などをする

さて、『損益通算』のお話しの前に、『所得』と『赤字』についてイメージ付けしておくと、わかりやすいと思いますので、そのあたりの説明から始めます。

『所得』と『赤字』のイメージ

『所得』とは、いわゆる『もうけ』のことであり、例えば、事業をしていたら売上から経費を差し引いた金額となります。

『赤字』とは、『もうけ』を得るために事業をしていたけど、何らかの理由で売上よりも経費や費用が上回っているときの、そのマイナスの金額です。

この記事では、『所得』と『赤字』をスライムのような流体のようなイメージで説明をしていきます。

プラスである『所得』はプニプニしたスライム、マイナスである『赤字』はドロドロしたマグマのようなイメージでいきましょう。


『損益通算』のイメージ

さて、本題です。

『損益通算』とは、10種類の所得区分のうち、一定のものが『赤字』の場合に、他の所得とそのプラスマイナスを通算できる。というものです。

上図のように、他の『所得(プラス)』が、『赤字(マイナス)』を取り込み吸収されて、『所得(プラス)』が小さくなるイメージです。


『損益通算』ができる所得区分

『損益通算』では、その『赤字』を通算することができる所得区分が限られています。

具体的には、以下の4種類の所得区分で生じた『赤字』について、『損益通算』が可能です。(総合課税の場合)

・不動産所得
・事業所得
・譲渡所得
・山林所得

前の項目の10種類の所得区分のキャラクターのうち、身体に色付けしている4体がそれらにあたります。

ぜひ、イメージ付けにお役立てください。


『損益通算』ができない区分

一方で、『損益通算』ができない所得は、残りの6つの所得です。

・利子所得
・配当所得(一定の場合には可)
・給与所得
・退職所得
・一時所得
・雑所得

これらの所得区分は、自らが『赤字』の場合には『損益通算』ができませんが、プラスの『所得』として、他のマイナスの『赤字』と通算することは可能です。

その場合には、『損益通算』順序のルールが明確に定められています。


『損益通算』の順序

『損益通算』順序のルールは、下図のとおりです。

各ルールを説明する前に、1つ呼び方のご紹介です。

図の中で『経常所得』という言葉がでてきますが、これは「通常の活動で生ずる所得」の集まりです。

具体的には、下記の6つです。

・利子所得
・配当所得
・不動産所得
・給与所得
・事業所得
・雑所得

また、『非経常所得』というグルーピングで、『譲渡所得』と『一時所得』がまとめられます。

『山林所得』と『退職所得』については、税額計算の方法が少々特殊なので、損益通算の順序ルール上も、別枠扱いとされています。

それでは、『損益通算』順序のルールをご紹介します。


不動産所得・事業所得の赤字

不動産所得または事業所得の『赤字』は、まず『経常所得』グループと通算します。

まだマイナスが残る場合には、『非経常所得』グループの『譲渡所得』『一時所得』と通算します。

それでもマイナスが残る場合には、『山林所得』『退職所得』という具合です。


譲渡所得の赤字

譲渡所得の『赤字』は、まず譲渡所得内で通算したうえで、同じ『非経常所得』グループの『一時所得』と通算します。

まだマイナスが残る場合には、『経常所得』グループと通算します。

それでもマイナスが残る場合には、『山林所得』『退職所得』と進みます。


山林所得の赤字

山林所得の『赤字』は、まず『経常所得』グループと通算します。

まだマイナスが残る場合には、『非経常所得』グループの『譲渡所得』『一時所得』と通算します。

それでもマイナスが残る場合には、『退職所得』と通算します。


なお、上記の『損益通算』をした結果、まだマイナスが残る場合には、そのマイナスのことを『純損失』といいます。

これは、一定の場合には、前年または翌年以後3年間で通算が可能です。


その他の『損益通算』

今回は構成の都合上で紹介しきれませんでしたが、これらの他にも損益通算の規定があります。

以下は、今回ご紹介できなかったものですので、ご興味ございましたら調べてみてください。(これ以外にも細かい規定がございます・・・)


居住用財産の譲渡損失の金額の特例(措法41の5①②③)

個人で住み替えなど一定の居住用財産の譲渡の『赤字』は『損益通算』の規定を適用するよ~という特例です。


特定居住用財産の譲渡損失の特例(措法41の5の2①②③)

個人でローンで買った一定の居住用財産の譲渡の『赤字』は『損益通算』の規定を適用するよ~という特例です。


上場株式等に係る配当所得の損失の金額(措法8の4①、措令4の2③)

上場株式などの配当は『分離課税』を選択すれば一定の『利子所得』と『損益通算』していいよ~という規定です。


特定株式に係る譲渡損失の金額の特例(措法37の13の2④⑤)

一定の非上場株式の譲渡の『赤字』は『分離課税』を選択すれば他の一定の上場株式などの譲渡所得と『損益通算』してもいいよ~という特例です。

いわゆる『エンジェル税制』と呼ばれているものです。


上場株式等に係る譲渡損失の金額の特例(措法37の12の2①③)

一定の上場株式の譲渡の『赤字』は『分離課税』を選択すれば一定の上場株式などの『配当所得』と『損益通算』してもいいよ~という特例です。


この項目では、所得税の『損益通算』について、その概要を書かせていただきました。

なお、ここでのご紹介はシンプルに、わかりやすさを重視したものとなっておりますので、一部簡略化している部分がございますことご了承ください。

ぜひ、イラストと併せて、イメージ付けしていただけますと幸いです。


【STEP3】15種類の『所得控除』から適用できるものを計算する

『所得控除』は、みなさんの税額をすこ~し少なくできるかもしれない。

そんな、仕組みとなっています。

この機会に、ぜひイラストを通じて学んでいただけますと幸いです。

『所得控除』と似たような用語で『税額控除』というものもあります。

けっこう混同している方も多いところですので、まずはこのあたりの説明から始めます。


『所得控除』と『税額控除』の違いは?

『所得控除』:税金がかかる「元のお金」を減らす

『所得控除』は、税金がかかる対象となるお金(所得)そのものを小さくする仕組みです。

所得控除で減った分は、直接税金から引かれるわけではないですが、税金がかかる元のお金(税率を掛ける前)が減るので、結果的に税金が少なくなります。

『税額控除』:計算された「税金そのもの」から直接引く

『税額控除』は、計算された税金の額から、直接お金を引いてくれる仕組みです。

税額控除は、最終的に払う税金の額から直接引かれるので、控除額がそのまま税金が少なくなる金額になります。


15種類の所得控除の概要

『所得控除』は、『物的控除』と『人的控除』にわけることができます。

ここでは、それぞれの控除について、解説していきます。


『所得控除』~物的控除~


① 『雑損控除』:予期せぬ災害や盗難による損失を補填

雑損控除は、災害(地震、火事、風水害など)や盗難、横領などによって、生活に必要な資産(住宅、家財など)に損害を受けた場合に適用される控除です。

この控除は、予期せぬ損失によって生じた経済的負担を税制面で軽減し、納税者の生活再建を支援することを目的としています。

例えば、もし自宅が火災に遭って家財道具が使えなくなってしまった場合などに、この控除を利用することができます。


② 『医療費控除』:高額な医療費負担を軽減

1年間(1月1日~12月31日)に本人または生計を同一にする配偶者や親族のために支払った医療費が、一定額(原則として10万円、または所得金額の5%のいずれか少ない方)を超えた場合に適用されるのが医療費控除です。

控除額は、支払った医療費から保険金などで補填された金額と上記の一定額を差し引いた金額となります。

これは、予期せぬ医療費の負担が大きい家庭の経済的負担を軽減することを目的としています。


③ 『社会保険料控除』:社会保障制度への貢献を評価

社会保険料控除は、本人または生計を同一にする配偶者や親族が支払った社会保険料(健康保険、厚生年金、国民年金、介護保険、雇用保険など)の全額が所得から控除される制度です。

社会保険料は、将来の医療や年金、失業時の保障など、私たちの生活を支える重要な社会保障制度の財源となります。

この控除は、そうした制度への貢献を税制面で評価するものです。


④ 『小規模企業共済等掛金控除』:個人事業主や役員の老後資金形成を支援

小規模企業共済等掛金控除は、個人事業主や会社の役員などが、退職金や老後の生活資金を準備するために加入する「小規模企業共済」や「確定拠出年金(iDeCo)」の掛金を支払った場合に適用されます。

支払った掛金の全額が所得から控除されます。

この制度は、公的年金に上乗せして自助努力で老後資金を形成する国民を支援する目的があります。


⑤ 『生命保険料控除』:将来への備えを促進

生命保険料控除は、生命保険、介護医療保険、個人年金保険の保険料を支払った場合に適用されます。

それぞれ一定の計算式に基づき、最大で合計12万円(新契約の場合)まで所得から控除されます。

この制度は、個人の自助努力による将来への備えや、万が一の事態に対する保障を促すことを目的としています。


⑥ 『地震保険料控除』:災害リスクへの備えを支援

火災保険とセットで加入することが多い地震保険の保険料を支払った場合に適用されるのが地震保険料控除です。

支払った保険料に応じて、最大5万円が所得から控除されます。

自然災害が多い日本において、国民が地震による損害に備えることを税制面から支援する目的があります。


⑦ 『寄付金控除』:社会貢献を後押し

国や地方公共団体、特定の公益法人などに対し「特定寄付金」を支出した場合に適用されるのが寄付金控除です。

寄付金額から2,000円を差し引いた額、または所得の40%のいずれか低い方が控除対象となります。

これは、個人の社会貢献活動を奨励し、公共の利益に資する活動を支援するための制度です。


『所得控除』~人的控除~


⑧ 『障害者控除』:特別の負担を考慮

本人、配偶者、扶養親族が障害者である場合に適用されるのが障害者控除です。障害の程度に応じて、27万円、40万円、75万円が控除されます。

この控除は、障害を持つ方が生活する上で生じる特別な負担を考慮し、税負担を軽減することを目的としています。


⑨ 『寡婦控除』・⑩ 『ひとり親控除』:特定の家庭状況を支援

寡婦控除は、夫と死別または離婚後に再婚していない女性で、扶養親族がいるなどの条件を満たす場合に27万円が控除されます。

ひとり親控除は、シングルマザー・シングルファザー問わず、一定の条件を満たす場合に35万円が控除されます。
これらの控除は、特定の家庭環境にある納税者の経済的負担を軽減し、子育てを支援する目的があります。


⑪ 『勤労学生控除』:学業と仕事の両立を応援

勤労学生控除は、特定学校の学生で、アルバイトなどによる合計所得金額が一定額(85万円以下)である場合に、27万円が控除される制度です。

これは、学業と仕事を両立している学生の経済的自立を支援し、修学を促す目的があります。


⑫ 『配偶者控除』・⑬ 『配偶者特別控除』:夫婦間の支え合いを評価

配偶者控除は、納税者に所得の低い(合計所得金額58万円以下)配偶者がいる場合に適用されます。

控除額は、配偶者の年齢や納税者本人の所得に応じて最大で38万円です。

また、配偶者の所得が一定額を超える場合でも、段階的に控除が受けられる配偶者特別控除もあります。

これらの控除は、夫婦間で家計を支え合う関係性を税制面で評価するものです。


⑭ 『扶養控除』:家族構成に応じた負担を考慮

扶養控除は、納税者に16歳以上の扶養親族(子や親など)がいる場合に適用されます。

扶養親族の年齢や同居の有無などによって控除額は異なり、38万円から63万円が控除されます。

これは、扶養家族が多い家庭ほど生活費の負担が大きいことを考慮し、税負担を軽減する目的があります。


⑮ 『基礎控除』:納税者全員に与えられる基本の控除

基礎控除は、納税者全員に一律に適用される基本的な所得控除です。

所得の金額に応じて控除額は変動します。

これは、全ての国民が最低限の生活を営む上で必要な所得には課税しないという考え方に基づいています。


【STEP4】税率をかける基となる金額を出す

掲載準備中です・・・


【STEP5】税額を計算する

掲載準備中です・・・


おわりに

今回は、『所得税』について、たくさんのイラストを用いながら解説してみました。

『所得税』は、皆さんの身近な税です。

この機会に、その概要を押さえておきましょう!


目次