皆さまは、何かをするときに参考にしているバイブルのような本はございますでしょうか?
今回は、私のバイブル的な本を、ご紹介させていただきます。
私が注力している活動について
税理士として『租税教育』に力を入れております。
私が税理士を目指した大きな動機は、子どもたちに租税教育を届けたかったからでした。
その一環である小学校等での『租税教室』は、普段『税』について考える機会が少ない子どもたちに、『税』について、その役割や必要性について伝えたりと、社会的意義のある時間と思います。
では、『租税教室』では、どういうことをするのか?
その問いの答えは、下記の記事に書いておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

今回は、この『租税教室』を実施する前に、必ず読み返している書籍についてご紹介させていただきます。
『租税教育』の本といえば、コレ
今回取り上げさせていただくのは、私のバイブル的な書籍『イラストでサクッとわかる 日本一たのしい税金の授業』(稲垣啓先生・著)です。
私のバイブル、稲垣先生のご著書
ここからは、税理士として、租税教室の講師としての目線で、この書籍の良いところを余すことなくお伝えできればと思います!
多数のイラストと多彩な図解
まず、何といっても目を引くのが、多数の棒人間イラストと多彩な図解。
これらがあることにより、視覚的にも情報が入り、大変わかりやすく、楽しく読み進めることができます。

この書籍のターゲット層としては、上図のBの部分です。
イメージは、これから『税』について色々知りたい!という方向けの入門書といったところでしょうか。
そして、この書籍に掲載されているすべてのイラストは、なんと稲垣先生ご自身で描かれています。
実は、私も『税理士×クリエイター』を自称しておりますが、クリエイター目線でいいますと、各イラストの構図と影の付け方が大変工夫されているなと感じました。
平面になりがちな図解を、影のついたキャラクターとわかりやすい構図で描かれていることにより、得られる情報の解像度が上がります。
また、丁寧な文章と組み合わせることで読み手の内容の理解度も、格段に上がるのではないでしょうか。
稲垣先生はnoteで、イラストの書き方もアップされておりますので、ぜひご覧いただけますと幸いです。
私自身も、大変参考にさせていただいております。
https://note.com/hiraku1977/n/nd1bf8dd4d13e
内容について
次に、内容についてです。
「そもそも税金って、何?」から始まり、立法の仕組みや『税』の歴史を解説し、身近な税金についてまでも、言及しています。
このようなオールインワンの書籍って、なかなか探してもないんですよね。
対して、稲垣先生は、その辺りを大変わかりやすく丁寧に解説をされています。
章立ては、下記の通り。

また、この書籍は各章の末尾に、クイズが掲載されており、大人だけでなく、中高生くらいから十分に楽しく読み進められるのではないでしょうか。
中高生くらいになると、政治経済を学習します。
しかし、中学校や高校での『税』の学習となると、せいぜい「租庸調」などのことをサラッと見開き1ページくらい見て終わったり、国会について学習するときに簡単な『税』の仕組みの説明のみというケースも珍しくないように思います。(自身の経験より)
それでは、税の学習としては不十分です。
この義務教育や高等教育のあたりで、最低限の知識を持ち合わせていないと、社会人になってからも、その不足した知識のまま人生を歩まなくてはなりません。
そこで、この書籍は、そのあたりの不足した知識を補完できるものと考えます。
私の気に入っている章
その中で、私の気に入っている章は、「3限目 知らないと損してしまう!所得税のしくみをざっくり理解しよう」です。
所得税といえば、消費税と並び、もっとも生活に密接している税といっても過言ではありません。
しかし一方で、その仕組みは複雑で、近年、さらに難解さが増しております。
そこで、わかりやすいイラストと図解で解説されている本書で、スムーズに学びを深めることができるように思います。
まさに、「稲垣先生のイラストの真価、ここにあり!」です。
『イラストでサクッとわかる 日本一たのしい税金の授業』は、フルカラーというのも読みやすさという点では、外せないポイント。
ちなみに、私、好きな税目はこの『所得税法』ですので、稲垣先生の解説を穴が開くほど読んでおり、勉強させていただいております。
私もクリエイターとして違った表現方法で、後日『所得税法』について解説をできたら面白いなと思いました。
『租税教育』で大切だと思うこと
子どもたちと、『社会』をつなげる。
家族で、『社会』について考える。
私には、そんなきっかけ作りができるようにとの思いがございます。
冒頭でも述べた通り、小学校等での『租税教室』は、普段『税』について考える機会が少ない子どもたちに、『税』について、その役割や必要性について伝えたりと、とても有意義な時間となっております。
しかしながら、その授業時間は約45分で、1度の機会で『税』のすべてを伝えるのは難しく、断片的なものとなってしまうのも事実です。
よって、子どもたちが『税』について網羅的に学習する機会や、日ごろから『税』について触れる機会をどのようにしたら増やせるのか?ということを、考える日々でございます。
「1年に1回、45分間で、どこまで『税』について知識を得られるのでしょうか?」
「そこで得られた知識は、将来にわたって、活用できるものなのでしょうか?」
現場で講師をしていると、このような疑問を持ちます。
その不足を埋めるためには、やはり日ごろから『税』について触れる機会を増やすということが重要と考えます。
租税法研究者(中央大学法科大学院教授)の酒井克彦先生は、「税は民主主義のチケットです。」とおっしゃられおります。
子どもの頃から、税制の仕組みや『税』の使われ方に多くの関心を持ち、「読み・書き・そろばん」レベルで身に着けておくことで、将来的に『税』で困る方々を減らし、さらには、全体的な租税リテラシーが向上するのではないでしょうか。
独自のアプローチとして
『租税教室』を行っていると、子どもたちは『税』の役割についての話などに真剣に耳を傾けてくれるのですが、ほかにも『税』の種類についても興味がある様子でした。
しかしながら、約45分という限られた時間のなかでは、やはり断片的な紹介しかできず、子どもたちの興味を取りこぼしてしまっていると感じております。
そこで、私個人的なアプローチとして、『税』の種類(所得税、たばこ税、酒税、とん税・・など)の紹介・説明に重きを置いたコンテンツを展開しています。

大変光栄なことに、私のバイブルの著者であり尊敬する稲垣先生のnoteにて、ご紹介いただきました。
https://note.com/hiraku1977/n/nfd832d2d7c6d
まずは、この『税金ゆるキャラ図鑑』を世に送り出し、子どもたちへ届けたいという思いがございます。
そして、さらに派生して、小学生よりも前、すなわち未就学児でも楽しく読める(学べる)、絵本のようなものを制作できれば良いなと考えています。
また、これらの『租税教室』で伝えきれなかったことを発信する場所として、『租税教室』の延長戦・補講として、当Webサイトを立ち上げました。
こちらで、主に子どもたち向けに『税』に関するコンテンツを充実させていく予定です。
おわりに
今回は、私のバイブル的な書籍、『イラストでサクッとわかる 日本一たのしい税金の授業』(稲垣啓先生・著)をご紹介させていただきました。
ぜひ、皆様お手に取っていただき、ご自身で、ご家族で、『税』について改めて考えていただけましたら幸いです。